はじめに
山中温泉には、駅がありません。
北陸新幹線で加賀温泉駅まで行き、そこからバスで約30分。「ちょっと寄る」ができない場所です。
そして、この記事の結論を先に書きます。
駅がないことは、欠点ではありません。泊まる理由です。
『乃木坂配信中』の「さくさんぽ」第2弾(2022年7月29日公開)で、
遠藤さくらさんが歩いたのが山中温泉でした。訪ねた場所のうち、この記事の軸になるのは2つです。
- 足湯「笠の露」 — 温泉街の中心にある、無料の足湯
- 鶴仙渓川床(かくせんけい かわどこ) — 渓流のすぐ上に設けられた席で、お茶と甘味をいただく場所
このうち川床には、営業期間があります。
そして、この記事を書いている時点で、2026年の営業期間は確認できました。
2026年は4月1日から11月30日まで。まだ営業期間が残っています。
まず、川床の営業情報から
この記事でいちばん大事な数字です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 2026年の営業期間 | 4月1日〜11月30日 |
| 営業時間(4月〜10月) | 9:30〜16:00(終了15分前がラストオーダー) |
| 営業時間(11月のみ) | 10:00〜15:00 |
| 11月の注意 | 気温低下など天候不順が予想されるため不定休 |
「川床は夏だけ」という情報を見かけることがありますが、そうではありません。
秋も開いています。11月30日までです。
そして、料金の話をします。ここが、この記事で重要な点です。
| 券種 | 一般 | 山中温泉の宿泊者 |
|---|---|---|
| お席料(加賀棒茶つき) | 大人 700円 | 大人 200円 /小学生100円 |
| 川床セット(甘味つき) | 大人 1,000円 | 大人 500円 /小学生400円 |
泊まると、半額以下になります。
川床セットでは、道場六三郎氏監修の冷製抹茶しるこ、川床ロール、期間限定メニューの中から好きな甘味を選べます。「さくさんぽ」でも、遠藤さくらさんはお茶とロールケーキで一服していました。
※お席料の宿泊者料金は、山中温泉の宿泊者、川床セットの宿泊者料金は、山中温泉旅館協同組合加盟の旅館の宿泊者が対象です。予約時に、加盟旅館かどうかを確認してください。
日帰りで来て1,000円払うか、泊まって500円で座るか。この差額だけで泊まる理由になる、とまでは言いません。ただ、「泊まった人のための場所」として設計されていることは、この料金表から伝わると思います。
温泉街の歩き方
山中温泉の中心は、総湯「菊の湯」の前です。
足湯、飲泉、からくり時計、フォトスポット。この一帯にすべて集まっています。
足湯「笠の露」
山中座の前、からくり時計のすぐ横の広場のなかにあります。
屋根が笠のかたちをしている足湯で、無料です。
「さくさんぽ」でも、隣のからくり時計台とセットで紹介されていました。
ここは、山中温泉に着いて最初に座る場所にしてください。バスで30分揺られたあとの足に、いちばん効きます。
そして、1つだけ注意があります。タオルは置いていません。
これが、山中温泉でいちばん多い失敗です。無料だからと気軽に足を入れて、上がるときにハンカチで足を拭くことになります。9月下旬の夕方だと、濡れたまま靴下を履くのはかなりつらいです。
フェイスタオルを1枚、カバンに入れておいてください。
速乾タイプなら、拭いたあとに畳んでしまっても気になりません。
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ゆげ街道
菊の湯の周辺から続く、山中漆器や地元の菓子店が並ぶ通りです。
歩く距離としては長くありません。ただ、1軒ずつ見ていくと時間が過ぎていきます。
川床の営業が16時までであることを、頭に入れて歩いてください。
あやとりはし
S字にうねる、独特な形の橋です。鶴仙渓にかかっています。
川床は、この橋のすぐ近くにあります。ゆげ街道を抜けて、あやとりはしを渡り、川へ降りる。これが川床への動線です。
鶴仙渓遊歩道 — この旅の本編
川床でお茶を飲んだら、遊歩道を歩いてください。
- こおろぎ橋から黒谷橋まで、約1.3km
- のんびり歩いて40分ほど(急げば30分)
- 「あやとりはし」は、その途中にあります。
渓流のすぐ脇を、水音を聞きながら歩く道です。
そして、ここでも「泊まる」ことのメリットがあります。
日中の遊歩道には、人がいます。川床が営業している9:30〜16:00は、当然そこに人が集まります。
朝の遊歩道は、まったく違います。
前夜から温泉街にいれば、朝の6時台に遊歩道へ降りられます。
川霧が出ている日があります。誰もいません。水の音だけがします。
日帰りでは、絶対にこの時間帯には立てません。
これが、山中温泉に泊まる理由です。
足元だけは、ちゃんとしてください
遊歩道には階段があります。そして未舗装の区間があります。
1.3kmという数字だけ見ると短く感じますが、上り下りがあるため、平地の1.3kmとは違います。
底の薄いスニーカーで歩くと、帰りに膝にきます。しかも、この旅は、翌朝もう一度同じ道を歩く前提です。
高反発のソールが入ったウォーキングシューズを1足。
それだけで、翌朝の「もう一度歩こう」という気持ちが残ります。
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行き方 — 加賀温泉駅からバス30分
北陸新幹線で、加賀温泉駅まで行きます。
そこから北鉄加賀バスの「温泉山中線」で山中温泉へ。
- 所要時間:約30分
- 運賃:470円(2026年2月1日改定)
- 乗り換えなし
このほか、加賀温泉郷を周遊する「キャン・バス」もあります(大人1回500円)。
山代温泉や那谷寺にも寄るなら、こちらのほうが使いやすい場合があります。
時刻は必ず、出発前に確認してください。路線バスなので、本数は多くありません。
💡 新幹線と宿をまとめる
山中温泉は「駅がない」ぶん、行きの手配が2段階になります。新幹線と、バスと、宿。
このうち新幹線と宿は、まとめて取れます。 そして、この区間はパックが最適です。
加賀温泉は北陸新幹線の停車駅で、宿とセットにすると個別手配より安く収まるケースが多いです。
さらに、宿によっては加賀温泉駅からの無料送迎があります。送迎がある宿を選べば、バスの時刻表を気にする必要がなくなります。
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泊まる宿を決める
山中温泉は、1泊2食で2万円を超える宿が多い温泉地です。
ここでは、1名あたり2万円以下で、渓流沿いに泊まれることを条件に3軒に絞りました。
① 最適 — 山中温泉 白鷺湯たわらや
この記事の結論は、この1軒です。
創業800年、35代続く宿。そして何より、鶴仙渓の渓流沿いに建っていて、川床が目と鼻の先にあります。
他の宿からだと「川床に行く」になりますが、この宿だと「川床が宿の庭」になります。
- 朝と夕で表情の変わる渓流露天風呂があります。
- 山中温泉ターミナルから徒歩約5分。
- 加賀温泉駅からの無料送迎あり(要予約/14:00〜18:00)
- 料金:1泊2食つき 2名1室 18,000円〜(※時期によりますので確認が必要です)
「日帰りでは絶対に見られない時間帯の鶴仙渓」を売りにできる、唯一の宿です。
夕方、湯に浸かりながら見る渓流。朝、川霧のなかの渓流。同じ川が、1泊で3回違って見えます。
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1泊2食プランは内容の幅があります。プランごとの献立を並べて比べるなら、楽天トラベル側の表示のほうが見やすいです。
送迎を使う場合は、予約時に申し込んでください。当日の申し出では受けられないことがあります。
14:00〜18:00の時間帯に加賀温泉駅に着く便を選ぶのが、いちばん楽な組み方です。
② ゆげ街道をメインにしたい方へ — 山中温泉 お花見久兵衛
「Ryokan Cafe」を掲げている宿です。
お茶を飲むために1泊する、というこの記事のテーマと、世界観がそのまま重なります。
ゆげ街道の散策を旅の中心にしたい方、漆器や菓子をゆっくり見たい方には、こちらが合います。
- 料金: 2名1室 22,000円〜(1名あたり11,000円前後)
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③ 全室から鶴仙渓/食事は外で自由に — 山中温泉 鶴仙庵
コンドミニアム風で、別荘のように使える宿です。
全室から鶴仙渓を望みます。
上の2軒が埋まっていたときの受け皿であり、
同時に「食事は宿に縛られず、外で自由に取りたい」という方の第一候補でもあります。連泊にも向きます。
3軒をどう選ぶか
| 宿 | 性格 | 予約 | 決め手 |
|---|---|---|---|
| 白鷺湯たわらや | 渓流沿い・2食つき | 【アゴダ】 【楽天トラベル】 | 川床が目の前。 渓流露天風呂。駅から無料送迎。 |
| お花見久兵衛 | 温泉街・2食つき | 【アゴダ】 【楽天トラベル】 | ゆげ街道の散策が主役になる。 |
| 鶴仙庵 | コンドミニアム型 | 【アゴダ】 | 全室渓谷ビュー。食事は外で自由に。 |
川床が目的なら、白鷺湯たわらや。迷ったら、ここから空室を見てください。
1泊2日のモデル動線
| 時間 | 行動 |
|---|---|
| 午前 | 東京 → 北陸新幹線 → 加賀温泉駅 |
| 昼過ぎ | バス約30分(470円)→ 山中温泉 /宿の送迎なら14:00〜18:00 |
| 到着後 | 宿に荷物を預ける → 足湯「笠の露」(無料・タオル持参) |
| 午後 | ゆげ街道 → あやとりはし → 鶴仙渓川床(16:00まで/宿泊者は割引) |
| 夕方 | 鶴仙渓遊歩道(こおろぎ橋〜黒谷橋 約1.3km・40分) |
| 夜 | 宿の渓流露天風呂 |
| 翌朝6時台 | 誰もいない遊歩道をもう一度歩く ← この旅の本編 |
| 午前 | バスで加賀温泉駅 → 北陸新幹線で帰る |
川床の16:00という終了時刻が、1日目の設計をすべて決めます。 加賀温泉駅に着く時刻から逆算してください。
午後2時までに山中温泉に着けば、川床に間に合います。
現地でのマナー・注意
- 川床は屋外です。雨天時は営業を見合わせることがあります。11月は不定休です。
- 足湯「笠の露」にタオルはありません。持参してください。
- 遊歩道には階段と未舗装区間があります。雨のあとは滑ります。
- 温泉街は、生活している方の町です。早朝に遊歩道へ降りるときは、静かに。
- 総湯「菊の湯」は共同浴場です。地元の方が日常的に使う場所なので、入浴のマナーを守ってください。
- メンバーの写真・公式画像を、現地で掲示したり貼ったりしないでください。
- 川床の宿泊者割引は、対象となる宿の条件があります。予約前に確認してください。
まとめ
- 2026年の鶴仙渓川床は、4月1日〜11月30日。 9月は営業中です。
- 営業時間は9:30〜16:00(11月のみ10:00〜15:00/終了15分前がラストオーダー)
- 川床は、泊まると安くなります。お席料 一般700円 → 宿泊者200円/川床セット 一般1,000円 → 500円。
- 足湯「笠の露」は無料。山中座前、からくり時計の横。タオルはありません。
- 鶴仙渓遊歩道はこおろぎ橋〜黒谷橋 約1.3km、のんびり40分。階段と未舗装区間あり。
- 朝6時台の遊歩道が、この旅の本編です。泊まった人にしか歩けません。
- 山中温泉に駅はありません。加賀温泉駅からバス約30分・470円。宿によっては無料送迎あり。
- 主役の宿は白鷺湯たわらや。鶴仙渓沿い、川床が目の前、1名9,000円〜。
- 営業期間・時間・料金は、必ず山中温泉の公式情報でご確認ください。
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